2021年4月に読んだ本<2>
修道院育ちで魔女のような緑の瞳のイニス。義父を牢屋に入れた、片腕の男ガードに恩赦を請いに行き、断られ嵐の中でひき逃げされる。記憶喪失になった彼女はなぜかガードの婚約者となっていて!?嵐の中、執事に彼女を探しに行かせて入院させ、家に引き取って意識が無い間も毎日のように会いに来ていたガード。元カノに対抗して芝居をしている、というより最初から気になっていたのでは。ガードがだんだんとイニスに夢中になり、あせった元カノは彼女の正体をばらす。そして逃げたイニスを必死に追いかけてくるガード。偽の婚約者にしてしまう、というのは無茶苦茶な話ではあるが、何故か忘れられない本。
ヒロインが必要に迫られてルームメイトを募集したら、謎の多いハンサムな画家が来て一緒に住む事に。最初は無口だしヒロインのデートに批判的だし、礼儀正しいがなんだか行動がいろいろと変。でもヒロインの弟を慰めてくれたり、非常時に実家に送ってくれたり、だんだん良い雰囲気に。ヒロインとヒーローの会話にニッコリしたり、ホロリときたり、プロポーズの前の説明には、ちょっとビックリ。でも良い話だった。強欲な母親にはだけは天罰が当たります様に…。
【再読】【Kindle】記憶喪失もの。荒野のチェイス屋敷に現れた記憶の無い少女リギア。屋敷の主エイブリーはリギアに夢中になり、主治医として館に滞在するように望む。偽の記憶喪失と思っていたロバートだが、愛犬を助けてもらってからはだんだんリギアに心を許していく。そして彼の芝居の台本を読んだときに、ついにリギアの記憶が戻る。リギアは実は旅回りの役者だったが、監督に言い寄られて逃げ出して、記憶を失ったのだった。
最初読んだ時は、ロバートがすごく怖かったが、再読すると、彼の心の痛みや孤独感をヒロインが次第に正しく読み取っているのがわかる。そして彼の愛情もこちらに伝わってくる。彼の祖母が死の床で、ヒロインに愛する人のところに行くように言うシーンが印象的。
【kindle】ヒロインのリースの幼馴染ローズマリーは、夫に浮気され離婚目前。彼女の向かいの部屋に住むヒロイン兄弟のパーティでローズマリーに恋したトラヴィス。複雑な立場の恋人たちを応援するリースだが、トラヴィスの従兄弟ネイラーに変な誤解をされ、困った立場に。おまけにネイラーは会社の新社長だった!友情のために本当の事が言えないリースと傲慢なネイラーの意地の張り合いが面白い!最後のネタバラシでスッキリして、二人もハッピーエンド。楽しい恋愛コメディだった。
ヴァイオレット・ウィンズピアは、古風だけど個性的な謎めいた恋愛を描くのが巧い。顔に大きな傷のある富豪の男性、ヒロインはなぜか彼を前から知っているけれど思い出せないまま、結婚式を挙げるのだけれど、実は…。という上流社会が舞台のロマンスです。美しい衣装や美味しそうな(本当にイギリスなのか?!)食事の描写も楽しめます。ゴシック・ロマンスが好きなので満足の1冊でした。
【再読】ヒロインの愛する故郷の描写、ロンドンでの逢瀬、ヒーローとの謎めいた言葉のやり取りが他のロマンス本と違って、映画のように再生される。騒々しいロンドンから離れ、故郷に帰りたいと願っていたヒロイン。故郷に城を買った、富豪のヒーローから結婚を申し込まれて、自分が買われたように思って絶望していたが、実は…。時を経て読み返すと、こんな純愛のお話だったのかと驚く。
最初にヒロインのライサンの婚約のいきさつを読んだ時、ノエルが卑怯だな、と思ってしまった。兄妹みたいに育って、それまで恋人同士でもなかったのに、悲劇を逆手にとって無意識にライサンに圧力をかけた。追い詰められたヒロインは、一度会っただけのダンテのファックスを見てチリに旅立つ。ラテンヒーローとしては、ダンテは紳士的だし、彼女への一途な想いがダダ漏れだったので、略奪者というより本物の恋人としてピッタリの人だった。チリの素晴らしい景色を背景に進む二人の恋の葛藤にハッピーエンドが待ち遠しかった。
kindleコミック版を読んでいたので、原作も読了。フィアンセのレックスの浮気現場を目撃して婚約解消。その夜にレックスが車で大怪我。彼の兄ネイトが、ヒロインのカスリンを侮辱し、恫喝。しかしネイトの元で仕事をすることになり、次第に彼に惹かれていくが、実は彼女を誘惑し結婚式の祭壇の前で置き去りにする計画を立てていた、と言われる。婚約解消の原因を聞いたあと、彼からプロポーズされるが、無理無理無理。どうあっても普通の結婚式では納得してもらえないネイトの秘策とは…。こんな酷いヒーローはジェシカ・スティールでは珍しい。コミック版は短いのでそうでもないが、原作はモヤモヤ感が晴れなかった。