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読書と写真とゲームが趣味。海外ミステリードラマが好き

『緑土なす』シリーズ

今年読んで一番面白かったシリーズだと思いました。BLなんだけど、それを超えてファンタジー、そして兄弟愛、彼らを取り巻く人々の愛と献身。

豊かでありたい、と思って2人を利用しようとする人々を超えて、レシェイヌとラフォスエヌ、灰色狼たちの存在と行動がすごかった。

行方不明だった兄をひたすら愛す今世王との出会い、そして結婚までの日々が、1日1日愛おしく、誰かが言ったこと、してくれた事を読んでふっと笑ったり、胸を詰まらせたりと、日々の癒しになってくれる本でした。

まだまだ続くのか、それともこれでハッピーエンドなのかわからないけれど、良い本に出合ったと思います。

緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

 BLファンタジー。まずWEB公開分を読んで、それから本を読んだが、中華風宮廷物というと陰謀とか拷問とか陰惨なイメージがあるが、まさかこういう設定だったとは。これは王族以外は、王になれないし、寵愛争いも起こらない。なろう小説も初めてだったが、本当に引き込まれる物語だった。今世王の兄上への愛情は、血筋のせいかなと思うけど、兄上から王への愛が育っていくのは、彼の純粋さ優しさゆえかもしれないと思った。灰色狼たちの献身ぶりといい、エピソードの一つ一つが印象的。

緑土なす きみ抱きて大地に還る<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

BLファンタジー。2巻でいったん完結だが、前巻の王の病発症から、いろいろあったなあ、と感慨深い。病は原因が分かっていないけど、兄上の超不味いオマエ草で治ってめでたし。だがその間に奸計から、兄上が拉致され危うい目に遭ったので、ヒヤヒヤした。そして今世王の復活後、兄上の育った山で、王族の証拠が見つかり一安心。今世王は兄上大好きだけじゃなくて、やはり懐深く王の器なんだなと見直した。長い物語だけど、何度も何度もエピソードを読み返してしまい飽きない 。

緑土なす きみに捧げる花の名は<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

緑土なす短編集。「悲しみの種」で、寿命が短い庶子を愛し抜く王族の過去のエピソードがある。第三者から見た姿では、とてつもない悲しみ様だった。でも兄上とレシェは、2人が消えても悔いが残らないように、幸せに暮らせるんじゃないかな。最後の王族二人だからこそ、兄上という稀有の存在がいる意味があるのでは、と思った。次巻は結婚式!

緑土なす 天から降る黄金の花弁<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

BL 年下執着攻の今世王がついに兄上と結婚!と思ったら、小国で王室病が国全体に広がっている、というので、兄上は助けに行くものの恩を仇で返されて捕囚にされそうに。王が怒りのあまり、天変地異を発動して小国とは国交断絶。そして、ついに秋が来て、二人のめでたい結婚式。黄金の生花が降り、吉兆を告げる鳥など奇跡が続発。良かったなとしみじみしたら、二人の初夜が!どこまでも純粋無垢な兄上らしかった。今世王と兄上の血族同士のやむに止まれぬ熱愛と、灰色狼たちの忠義愛の織りなす王朝ファンタジーとして、とても良いシリーズだった 。