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読書と写真とゲームが趣味。海外ミステリードラマが好き

2021年4月に読んだ本<3>

気が付いたら昨年の10月からブログを書いていませんでした。9~11月に熱があって、その後も熱が出て抗体検査を受けたりとスッキリしない毎日です。読書は進むものの、TVやドラマはあまり見たくなくて。

最近面白かったのは「バルタザール」「アートオブクライム」などでしょうか。ミニシリーズが見るのも楽ですね。

キスの魔術

キスの魔術

 

姉は派手なモデルで年下の大学生とお金目当てで付き合っている。妹のヒロインは姉が悪い方へ変わった事に気が付かないまま、姉の恋人の叔父と対応する。姉と間違えられたまま、それでも金銭より愛が大事と言うヒロインは、ついにヒーローに連れ去られ田舎の一軒家に軟禁される。えっ、このヒーロー怖すぎ!誤解とはいえ、誘拐監禁レイプ未遂!ヒロインの嘆願で、どうにか正気に戻って、最後は和やかな1日を過ごすが、口調のせいか証券会社の社長とは思えず、どこかのギャングみたいだった。ヒロインは美しく性格も良かったのにヒーローを選ぶとは。でもこんな夫でいいの? 

 

Kindle】既婚者に騙され、母親は夫に浮気されて事故死、という過去で男性不信のヒロイン、ホイットニー。とあるパーティーで婚約破棄の原因にされてしまい、罪悪感から屋敷の主人スローンの偽の婚約者をつとめることに。ホイットニーの性格の可愛さ、純真さに比べて、スローンの気持ちが途中までいまいちハッキリせず、一夜のあとになんでいなくなったの?何で嘘をついたの?というのは、恒例の答え合わせで判明する。ラストの誓いの場面では爆笑してしまった。こういうお話大好きだな〜。 

 

 イギリスの田舎育ちの少女がメイドになって、女主人のお供で乗った船が海で遭難し、なぜかスペインの島の領主に引き取られて…。モノクロのお伽話のような恋物語。舞台劇のような口調もドラマチックな雰囲気を出してると思うので、訳を現代的にしてほしくないなあ。いろいろ困難を乗り越えていきてきた公爵がヒロインに求めるなにかが愛であり、失った夢であるような。うまく言えないけど、他には無いタイプの古い作家ウィンズピアの、こういう作風がとても好きです。

【再読】ヴィクトリア朝ロマンスのような語り口の物語。やはり読んでいて、とても楽しい。片足が不自由でも悪魔のように美しく誇り高い公爵。どうやらヒロインに一目惚れだったようなのだが、それをじっと隠しつつ、隠しきれないところがツボ。ヒロインのお化粧を落とさせたり、ブレスレットをもらったことに怒ったり。長く孤独で寂しかった二人が、あの城で幸せに暮らすんだと思うと、心があたたかくなってきた。

 

光と影 (MIRA文庫)

光と影 (MIRA文庫)

 

コーンウォールの小島にある館で作家の若い妻が溺死。作家は失踪中だが、原稿を仕上げるために出版社からヒロインがやってきて、伝説の館で暗い人間関係に巻き込まれるサスペンスロマンス。ヒロインがいろんな場面で散々な目にあうので可哀想。特にヒーローの義母、異母妹がすごく嫌な人たちで、早く逃げたらいいのに、とひたすら祈っていた。

ヒーローも弟の妻と関係があったのか?ヒロインの疑惑をよそにぐいぐい迫る彼。スペイン気質とイギリス人の冷静さが反発しあって、結婚の申し込みも却下する、キャリア優先というヒロインは珍しい。最後は初代スペインの海賊みたいなヒーローの疑惑も晴れ、命を救われて、プロポーズされて遠い外国に攫われてしまうのだけど。 

 

ややこしい事情でヨークと偽の婚約者ごっこをする事になるヒロインのサビーナ。嘘が嘘を呼び、二人の惹かれ合う気持ちもあって、当然もっとややこしい事態に。サビーナが苦悩したり慌てたりジタバタするのが可愛くて良かった。それにしても祖母の指輪を盗む従兄弟がいるのはちょっと引くなあ。ヒロイン友人が男運が悪くて気の毒 。

 

本物の花嫁は結婚式当日に失踪。代わりに花嫁役を演じたフェネラは、へラクリオンの怒りを買い、そのままギリシアに連れていかれる。彼への強い愛ゆえに耐えて尽くすが、彼の怒りは収まらない。義弟は、すぐさまヒロインの美しさを見抜き、銀貨より金貨を得た果報者だと兄に言うが全く伝わらず。ブレスレットを買ったり、仕事に没頭して家にいない間に妻を秘かに愛していたのだろうか?妻が流産しても音信不通。やっと帰ってきたら、妻をずっと愛してた、というヒーロー。いや、わかんないし!続きは「恋する修道女」へ。 

 

「背徳の花嫁」から数年後、義弟ゾナーのロマンス。前作で義姉フェネラを熱愛していたゾナー。イギリスのホテルの仕事をする3ヶ月の間、修道院から家庭教師を頼む事に。18歳の修道女見習いのアイリスは、ゾナーの息子アレコスに手を焼き、運転手のアキレに乱暴されそうになったり、ゾナーのGFに崖から落とされそうになったりと満身創痍。ゾナーの告白まで読んでる方も心が休まらなかった。

ラクリオンとフェネラはすっかり幸せそうで赤ちゃんができるように手術をするらしい。ヘラクリオンの方は子供より妻!という感じだった。 

 

DV父と鬱気味母(画家)を持つヒロイン。大学を諦めて母の世話をしていたが、やっと母も立ち直り、離婚を進め、幼馴染と出会って良い感じに。母の新たな恋を押し進めるために、母の恋人の部下ヒーローと作戦を立て始めるのだが、若い二人も心の動きが。ヒーローはかなり良い人で、ヒロイン含め色々世話を焼いてくれて、最後の告白大会まであまり心配せずに読めた。ジェシカ・スティールらしい作品。 

 

 【再読】「復讐は炎のごとく」ミシェル・リード。夫の元カノに引き裂かれ、というより、妻と子供を信じず自分の気持ちを明かさない夫の態度が原因。流産した時も元カノ宅で泥酔して寝てた…って、そりゃ法的措置も取られて仕方ない。再会してからは、頑張って妻の気持ちを勝ち取ったので良かった。

「サラのバラード」ロバータ・レイも好きな作品が多いけど、この話も良かった。反発しあいながら惹かれていく2人。それにしてもヒーロー側の元愛人が多そうなのがちょっと気になってしまった。

「砂漠のドクター」ヴァイオレット・ウィンズピア。カサブランカに仕事に来たマドリンと地元で働く眼科医ビクター。過酷な地で働くビクターに運命的な恋をしたのに拒絶され、一時期離れてみるが、その間にビクターの祖父が亡くなり、彼も秘めていた気持ちを告白。二人は至上の愛に包まれる。何度も読み返したい名作。

 

こはく色の夢 (ハーレクイン文庫)
 

事故で両親を亡くし、自分も余命半年と思いこんだヒロイン。自棄になって行ったバーで、話し相手になった男性の部屋に行き眠り込んでしまう。その後、余命問題は誤解とわかるが、クリスマスに招待された家の兄が、あの一夜の相手だった!ヒーローのダイソンが暗くて怖い人だったので、最初好きになれないヒーローと思っていた。後半はヒロインの怪我を知って優しくなったが、なかなか真相を話さないので、告白タイムもなんだか辛かった。もうちょっと幸せタイムがあれば…。そこら辺が残念。 

 

 別居中の夫婦の夫婦喧嘩に巻き込まれたヒロイン。ヒーローの従姉妹である妻の方が、勝手に別居したのに、あたかもヒロインが誘惑したかのようにヒーローや父親に嘘をつきまくる。夫の方も、なぜそこまでヒロインに頻繁に会って愚痴るのか?継母や義兄弟に援助している心優しいヒロインを悩ませる二人にはイライラした。ヒーローは良い人なんだけど、結婚すると親戚付き合いが面倒くさそう…。

 

 【Kindle】宝探しで行方不明になった父を探してジャングルの島に難破して打ち上げられたヒロイン。島の領主ロッケたちに助けられ、次の船が来る一月後まで他の助かった人たちと滞在することに。密林の美しさ、残酷さ、人々の営みの描写に胸を打たれる。そして島の全てを支配するロッケの野生的な男らしさ。その青い眼の魔力。彼に反発しつつも強烈に惹かれるモルベナの光る妖精のような美しさ。ツンデレだったロッケの告白シーンが短くも強烈だった。

 

忘れられた花嫁 (ハーレクイン文庫)
 

【電子図書】熱烈な一夜のあと事故で行方不明になってそれっきりだったヒーロー。すっかり存在も忘れていたヒロインに偶然会って卒倒して。記憶が徐々に戻ってくるけど、これ男女逆だったらヒロインが罵倒されまくりだろうなあ。倒れそう〜と弱々しいところを見せつつ、生活と子どもたちの幸福を盾に脅迫するとか。ヒロインはちゃんと倒れそうになると駆け寄ってくる心優しい女性だけど、策略をめぐらすヒーローにはかなわなかったのでした。倒れるヒーローってドラマちっくですけどね。ガタイがいいので下敷きになると嫌だなあ、と思ったり。

【再読】ヒーロー側の記憶喪失もの。ヒロインだけを忘れていた理由は、罪の意識と事故のせいだったけど、相手と恋愛感情はおろか肉体関係も無く、タイミングが悪かったと思える。フラッシュバックで倒れまくるヒーローと、心配すると優しく、それ以外のときは非難しまくるヒロイン。2人とも一途に愛し合っていたので、個人的にはかなり好きな本。 

 

 遺言で文無しのヒロインと、遺言でヒーローが期限までに結婚しないと一族が祖父の遺産を貰えないという設定が面白い。倒れる寸前のヒロインを自宅に連れ帰り、紳士的に看病するヒーロー。ヒロインとは早い時期から両思いなのだが、双方の家族が足を引っ張る。ヒロインの消息が途絶えてからの再会でやっと始まる愛の告白タイム。前半、強欲な継母にかなりムカついたが、彼女がいなかったらヒロインはヒーローの腕の中に倒れ込まなかったし、富豪の花嫁にもならなかったという事でめでたし。

 

 双子の妹の話「さよならは私から」レイサムの態度が酷すぎて、なにこいつ!?と思ったが、元凶はヒロイン父。刑務所に行って欲しいくらい酷い親だった。

双子の姉の話「内気なエンジェル」父親と亡き夫のせいで苦しんできたジョージィ。亡夫の従兄弟ダルクの頼みでフランスに行き、馬の世話をすることに。ジョージィの内気さを乗り越える勇気と、ダルクの想像もつかない程の深い愛。二人が結ばれて本当に良かった!

 

偽りの結婚指輪 (ハーレクインSP文庫)
 

冴えないナニーと結婚したヒーローが、ある日妻の魅力に突然気づいて…とロマンスコメディな話だと思っていた。が、亡くなった前妻が完璧だったせいで、デュ・モーリアの「レベッカ」の若妻みたいな立場のヒロイン。おまけに夫とは白い結婚。変身した妻に強く惹かれていく夫だが、義母の嘘を信じて悲劇が起こる。悲劇の後が、本一冊分あっても良かった。ヒロインだけが辛い思いをした訳では無いが、やはりヒロインの誠実さや愛情が報われるのが遅すぎた。キム・ローレンスらしい考えさせられる本。